第3課 パダン料理店で食事をする Makan di Restoran Padang

●文化紹介

Ⅰ.インドネシア料理

料理の地域性

 インドネシアは多くの種族から成り立つ国家です。そのため、料理も地方によって大きく異なります。いわゆる「インドネシア料理」なるものは存在していないといってよいでしょう。唐辛子を使った比較的辛い料理が多いですが、ジャワなどではむしろ甘辛い料理が好まれます。主食は米である地域が多いですが、サゴや芋を食べる地域もあります。また、イスラム教徒は豚肉を食べませんが、その他の宗教の信者は豚肉を食べますので、まったく豚肉が手に入らないというわけではありません。

 

パダン料理(Masakan Padang)

 パダン料理(ミナンカバウ料理)は西スマトラのミナンカバウ族の伝統料理です。男達による出稼ぎが伝統となっているミナンカバウ人が、インドネシア各地の出稼ぎ先でパダン料理店を開いているため、インドネシアのいたるところで味わうことができます。スキットにも出てきますが、テーブルにつくと、すぐに料理の入った小さな皿がテーブルに次々と運ばれ、スペースが足りない場合、2段に積み重ねられます。各自ご飯の皿が用意されますので、客は食べたい料理を自分のご飯の皿にとって食べます。食後に店員が来て、手をつけた皿をカウントして、料金が請求されます。

 

食べ方

 料理が多様なインドネシアは、もちろん食事の仕方も様々です。米食の場合、ご飯の皿の上に、数種のおかずをとって、ご飯と混ぜて食べることが多いです。最近では、スプーンとフォークで食事をするのが普通ですが、伝統的な料理を食べる時は、今でも手で食す場合が多いです。ただし、手でご飯を食べるのはなかなか難しいため、外国人の場合、少し練習が必要です。手のひらはほとんど汚さず、指先を使って食べます。

 種族によって多少異なりますが、日常、家族でテーブルを囲んで食べる習慣はなく、むしろ用意されている食事を、家族が各自好きな時間に食べるという方が普通です。

 

パダン料理
パダン料理
パダン料理屋
パダン料理屋

 

 

 

Ⅱ.屋台(ワルン、カキ・リマ)

 インドネシアにはある程度立派な店舗を構えた食堂やレストランの他に、多くの屋台があります。総称して、ワルン(warung)と呼ばれますが、テントを通り沿いに張り出した露天商の場合もありますし、粗末な小屋の場合もあります。食事を用意しているところもあれば、コーヒーと軽食のみを出すところもあります。通りで、石鹸、タバコ、お菓子、飲み物など細かな日用品を販売している小屋もワルンです。

 また、小さな車を押し、呼び止められた場所で、ナシ・ゴレン(チャーハン)やサテ(焼き鳥)などを簡単に調理して、販売するという移動式屋台もあり、カキ・リマ(kaki lima)と呼ばれています。

 

カキリマ
カキリマ