タイ語と日本語の発音の大きな違いは声調の有無です。声調とは一つの音節の中における音の高低の変化です。子音と母音が同じでも、声調が異なると違う意味の単語になることがあります。
タイ語には、標準形として5つの声調があります。タイ語を正しく発音するためには、各声調の音を正しく発音できる必要があります。基本的にはタイ語の語は、この5つの声調のどれかで発音されます。
発音記号の標記では、母音の上に声調を表す記号をつけます(第一声調は何もつけない)。
第1声調(中平調)
自然に出せる高さで、声を高低させずに、平らに発音する。 声調記号は何もつけない。 例:kaa、khaa | ![]()
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第2声調(低平調)
第1声調(中平調)よりも低い声で、低いまま平らに発音する。 声調記号は、母音の上に右下がりの線をつける。 例:càa、chàa | ![]()
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第3声調(下降調)
高いところから始め、語尾を下げて発音する。「あらまぁ」といったときの「まぁ」のような感じで下降させる。 声調記号は、母音の上に山型の線をつける。 例:tâa、thâa | ![]()
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第4声調(高平調)
高いところからはじめ、さらに軽く語尾を上げながら発音します。 声調記号は、母音の上に右上がりの線をつける。 例:báa、páa | ![]()
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第5声調(上昇調)
低い音(第2声調と同じくらい)からはじめ、音を上げながら発音します。 発音記号は、母音の上にV型の線をつける。 例:mǎa、rǎa | ![]()
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【発音練習】
ここでは、maaを例に声調の練習をしてみましょう。(日本語のカナ表記「マー」) 声調が音の高低の変化であるといっても、それは相対的な高低であって、音楽のような絶対的な音程とは異なります。声の高い・低いは個人差がありますので、自分が出せる声の範囲内で高低をつけるようにしましょう。
第1声調(中平調):maa
第2声調(低平調):màa
第3声調(下降調):mâa
第4声調(高平調):máa
第5声調(上昇調):mǎa
ちなみに、maaは「来る」、máaは「馬」、mǎaは「犬」という単語で、声調によって全く意味が異なってきます。