この第6課では,いくつかの文で動詞の過去形が使われていました.
                     
                    Det sagde vejrmeldingen også. 
                        
                      そのことは天気予報も言っていました.
                    I morges skinnede solen jo så dejligt.
                        
                      今朝は陽がとても気持ちよく照っていましたよね.
                     
                     上の2つの文では,それぞれ,sagde[sige <言う> の過去形]そしてskinnede[skinne <輝く,照る> の過去形]が使われています.
                     デンマーク語の動詞は,不規則変化動詞と規則変化動詞に大別されます.sigeは不規則変化動詞に,skinneは規則変化動詞に分類されます.
                     
                     それでは,まず不規則変化動詞について,これまでのスキット内の会話に使われていた動詞を例としながら確認しましょう.
                     
                    ― 不規則変化動詞の例 ―
                    
                    
                    不定詞形  | 現在形  | 過去形  | 意味  | 
                    betyde   | betyder   | betød   | ~を意味する  | 
                    blive   | bliver   | blev   | ~になる  | 
                    gøre   | gør   | gjorde   | する  | 
                    gå   | går   | gik   | 歩く;行く  | 
                    have   | har   | havde   | 持っている  | 
                    hedde   | hedder   | hed   | ~という名前である  | 
                    hjælpe   | hjælper   | hjalp   | 助ける;手伝う  | 
                    komme   | kommer   | kom   | 来る,到達する  | 
                    lade   | lader   | lod   | ~させる  | 
                    lyde   | lyder   | lød   | 響く,音がする  | 
                    lægge   | lægger   | lagde   | 横たえる,横にする  | 
                    rive   | river   | rev   | 掻く  | 
                    se   | ser   | så   | 見える;見る  | 
                    sidde   | sidder   | sad   | 座っている  | 
                    sige   | siger   | sagde   | 言う  | 
                    være  | er   | var   | ~である;~がある,~がいる  | 
                    
                     
                    
                     
                    
                     次に規則変化動詞について,見てみましょう.この規則変化動詞は,過去形(及び過去分詞形)の作り方によって,第1規則変化動詞と第2規則変化動詞に分類されます.まずは,skinneが所属する第1規則変化動詞から見ていきましょう.
                     
                    ― 第1規則変化動詞の例 ―
                    
                    
                    不定詞形  | 現在形  | 過去形  | 意味  | 
                    anbefale   | anbefaler   | anbefalede   | 推薦する,勧める  | 
                    blande   | blander   | blandede   | 混ぜる  | 
                    flytte   | flytter   | flyttede   | 引越しをする  | 
                    koste   | koster   | kostede   | ~という値段である  | 
                    lave   | laver   | lavede   | 作る;する  | 
                    lyne   | lyner   | lynede   | 稲光がする  | 
                    regne   | regner   | regnede   | 雨が降る  | 
                    skinne   | skinner   | skinnede   | 輝く,照る  | 
                    sne   | sner   | sneede   | 雪が降る  | 
                    stave   | staver   | stavede   | 綴る  | 
                    tordne   | tordner   | tordnede   | 雷が鳴る  | 
                    
                     
                    
                     
                    
                    ➢	第1規則変化動詞における過去形の変化語尾は,-edeです. 
                    ➢	この -edeという語尾では,語中のdは  のように,柔らかい音で発音されます. 
                    ➢	デンマーク語の動詞の8割強がこのグループに属します.
                     
                     次に,第2規則変化動詞について見てみましょう. 
                     
                    ― 第2規則変化動詞の例 ―
                    
                    
                    不定詞形  | 現在形  | 過去形  | 意味  | 
                    blæse   | blæser   | blæste   | 風が吹く  | 
                    købe   | køber   | købte   | 買う  | 
                    rejse   | rejser   | rejste   | 旅をする  | 
                    skynde   | skynder   | skyndte   | 急がせる  | 
                    smage   | smager   | smagte   | 味がする  | 
                    spise   | spiser   | spiste   | 食べる  | 
                    
                     
                    
                     
                    
                    ➢	第2規則変化動詞における過去形の変化語尾は,-teです.
                     
                   
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                     会話表現で確認したように,所有代名詞は関連する名詞の性・数に呼応して変化します.ここで所有代名詞の変化形を覚えましょう.
                     
                    
                    
                    
                         | 
                      名 詞                        | 
                      
                    
                      単数                        | 
                      複数  | 
                    
                    
                      共性  | 中性  | 
                      
                    
                      所 
                        有 
                        代 
                        名 
                        詞  | 
                      1人称・単数  | min   | mit   | mine   | 
                    
                      2人称・単数  | din   | dit   | dine   | 
                    
                      3人称・単数再帰  | sin   | sit   | sine   | 
                    
                     
                    
                     
                    
                     この所有代名詞は,基本的には名詞の前に付加的に置かれ,強勢がありません.
                     
                     例を見ながら,それぞれの意味を確認しましょう.
                     
                    ― 私の (min / mit / mine) ―
                    Jeg har min paraply med.  私は自分の傘を持ってきています.
                    Mit navn er Liva Jensen.  私の名前はリーヴァ・イェンスンです.
                    [navn (-et, -e): 名前]
                     
                    Mine kollegaer er virkelig søde.  私の同僚たちはとても優しいです.
                    [kollega (-en, -er / kolleger 
                        
                        ): 同僚]
                    [sød (-t, -e): 優しい]
                     
                    ― あなたの (din / dit / dine) ―
                    Kan jeg låne din cykel?  あなたの自転車を借りられますか?
                    [låne (lånte): 借りる]
                    [cykel (-en / cyklen, cykler): 自転車]
                     
                    Husk at tage dit pas med! 
                       あなたのパスポートを持って行くのを忘れずに!
                    [huske (huskede): 覚えている]
                    [tage A med: Aを持って行く]
                    [pas (-set, pas): パスポート]
                     
                    Er dine kollegaer søde?  あなたの同僚たちは優しいですか?
                     
                    ― 自分の (sin / sit / sine) ―
                    Han har altid sin madpakke med.  彼はいつも自分のお弁当を持ってきています.
                    [altid: いつも]
                    [madpakke (-n, -r): お弁当]
                     
                    Hun kan godt lide sit arbejde. 
                       彼女は自分の仕事が好きです.
                    [arbejde (-t, -r): 仕事]
                     
                    Martin inviterer sine venner til middag. 
                       マーティンは自分の友人たちをディナーに招待します.
                    [Martin: 男子名]
                    [invitere (inviterede): 招待する]
                    [ven (-nen, -ner): 友人]
                     
                    注意1
                     sin, sit, sineは,同じ文中の主語を指して,<自分の> という意味になります.したがって,主語の位置には現れることはありません.また,sin, sit, sineが使われるのは,上記の例からも分かるように,主語が3人称・単数の場合のみです.
                     
                    注意2
                     所有代名詞が名詞の前に置かれず,単独で用いられる場合には,所有代名詞に強勢が置かれます.
                     
                    Den der paraply er min.
 あの傘は私のです.
                     
                    Skal vi bruge mit kamera eller dit?
                    
                    私のカメラを使いましょうか,それともあなたのを使いましょうか?
                     
                    Jeg har ikke min paraply med, men hun har sin med.
 
                      
                      私は私の傘を持ってきていませんが,彼女は自分のを持ってきています.
                     
                    ― 人称代名詞の所有格 ―
                     上の所有代名詞の表には <彼の>,<彼女の>,<それの>,<私たちの>,<あなたたちの>,<彼らの>,<[敬称]あなた(たち)の> を表す語がありません.
                     これらの意味を表すためには所有代名詞ではなく,人称代名詞の所有格を用います.
                     
                    hans  <彼の>
                    hendes  <彼女の>
                    dens  <それの>
                    dets  <それの>
                    vores  <私たちの>
                    jeres  <あなたたちの>
                    deres  <彼らの>
                    Deres  <[敬称]あなた(たち)の>
                     
                    例:	hans bil <彼の自動車>
                      	hans hus <彼の家>
                      	hans biler/huse <彼の(複数の)自動車/家>
                     
                    ➢	これらの人称代名詞の所有格はmin/mit/mineなどの所有代名詞とは異なり,関連する名詞の性・数に呼応した変化はしません.
                     
                   
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                   
                     第4課では,デンマーク語では,動詞の不定詞形(見出し語形)は原則として -eで終わると習いました.しかしながらデンマーク語には,動詞の不定詞形(見出し語形)が -sで終わっている動詞がいくつかあります.   スキット内で使われているsynesがその1つです.ここで,synesの変化について確認しましょう.
                     
                    
                    
                    不定詞形  | 現在形  | 過去形  | 意味  | 
                    synes   | synes   | syntes   | 思う  | 
                    
                     
                    
                     
                    
                     不定詞形が -sで終わる動詞は,語尾変化の点で以下のような注意点があります.
                    ➢	不定詞形と現在形が同じである.
                    ➢	過去形語尾は,-sの前に置かれる.
                     
                     このように不定詞形が -sで終わる動詞はsynes以外にも,以下のようなものが挙げられます.
                     
                    findes  存在する
                    Der findes mange forskellige sprog i verden. 世界には多くの様々な言語があります.
                    [forskellig (-t, -e): 様々な]
                    [sprog (-et, sprog): 言語]
                    [verden (verden, -er / verdner): 世界]
                     
                    Der fandtes sporvogne i København for 40 år siden.  40年前にはコペンハーゲンには路面電車がありました.
                    [sporvogn (-en, -e): 路面電車]
                    [København: コペンハーゲン]
                    [for ~ siden: ~前(過去の時を表す)]
                     
                    længes efter  恋しく思う
                    Vi længes efter forår.  私たちは春が恋しい.
                    Vi længtes efter solen og varmen.  私たちは太陽と暖かさが恋しかった.
                    [varme (-n): 暖かさ]
                     
                    lykkes  首尾よくいく
                    Jeg håber, at det lykkes dig at få et job.  私はあなたが仕事を得られることを願います.
                    [håbe (håbede): 願う]
                    [få (fik): 手に入れる]
                    [job (-bet, job): 仕事]
                     
                    Det lykkedes ham at købe en flybillet til Japan til en god pris.  
                      
                      彼は日本行きの航空券をお得な値段で買うことができた.
                    [flybillet (-ten, -ter): 航空券]
                    [pris (-en, -er): 値段]
                     
                     また,このような不定詞形が -sで終わる動詞の中には,主語が必ず複数でなければならないものも存在します.
                     
                    ses  会う
                    Vi ses!  またね.
                     
                    mødes  会う
                    Nina og jeg skal mødes foran Tivoli i morgen aften.  
                      
                      ニナと私は明日の晩チボリ公園の前で会います.
                     
                    skændes  喧嘩する
                    I skændes tit.  あなたたちはよく喧嘩します.
                     
                   
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                   
                     これまでに,第2課では名詞の単数未知形,単数既知形について,そして第3課では名詞の複数未知形について学びました.
                     この課では,名詞の複数既知形について学びましょう.
                     
                     名詞の複数既知形は,名詞の複数未知形に -ne あるいは -eneのどちらかの語尾を付けて作ります.
                     
                    
                    
                    複数未知形                       の語尾  | 名詞                       の性  | 単数                       未知形  | 単数                       既知形  | 複数                       未知形  | 複数 
                      既知形  | 意味                        | 
                    -er                        | 共性  | en bil  | bilen  | biler  | bilerne   | 自動車  | 
                    中性  | et træ  | træet  | træer  | træerne   | 木  | 
                    -r                        | 共性  | en gade  | gaden  | gader  | gaderne   | 通り  | 
                    中性  | et æble  | æblet  | æbler  | æblerne   | りんご  | 
                    -e                        | 共性  | en stol  | stolen  | stole  | stolene   | 椅子  | 
                    中性  | et hus  | huset  | huse  | husene   | 家  | 
                    ゼロ                        | 共性  | en ting  | tingen  | ting  | tingene   | もの  | 
                    中性  | et svar  | svaret  | svar  | svarene   | 答え  | 
                    
                     
                    
                     
                    
                     複数未知形の語尾が,-er, -r, -eの場合には,複数既知形の語尾は -neを,そして複数未知形の語尾がゼロ(つまり単複同形)の場合には,複数既知形の語尾は -eneとなります.
                     
                    
                    
                    複数未知形の語尾  | 複数既知形の語尾  | 
                    -er, -r, -e  | -ne  | 
                    ゼロ  | -ene  | 
                    
                     
                    
                     
                    
                   
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                   
                     第5課では,平叙文の完結文の語順について学びました.ここでは,疑問文の完結文の語順について確認することにしましょう.
                     まず,これまでのスキットに出てきた例文を使って,Ja / JoあるいはNejを用いて答えることができる疑問文(以下,全体疑問文と呼びます.)について見ていくことにしましょう.(付加疑問文については後述します.)
                     該当する例文を,第5課で学んだ表にしたがって記述すると以下のようになります.
                     
                    
                    
                    前域                        | 中域                                              | 後域                        | 
                    定形動詞  | 主語  | 中域副詞  | 不定形 
                      動詞  | その他の要素  | 
                     | Er  | du  |  |  | japaner?  | 
                     | Kommer  | hun  | også  |  | fra Frankrig?  | 
                     | Er  | han  |  |  | franskmand?  | 
                     | Har   | I  | ikke  |  | sådan en i Japan?  | 
                     | Har   | du  | for resten  |  | en lommeregner?  | 
                     | Er  | det  |  |  | møbleret?  | 
                     | Er   | det dér store springvand  |  |  | Gefionspringvandet?  | 
                     | Skal  | vi  | også  | købe  | drikkevarer?  | 
                     | Spiser  | man   |  |  | kinakål rå?  | 
                     | Er  | det  |  |  | rigtigt?  | 
                     | Er  | guleroden  |  |  | rå?  | 
                     | Har  | du  |  |  | din paraply med?  | 
                    
                     
                    
                     
                    
                    ➢	全体疑問文の語順で,特徴的なことは,前域にどんな文法要素も置かれないということです.
                     
                     次に,疑問詞を用いた疑問文の語順について,これまでのスキット内の例文を使って確認しましょう.
                     
                    
                    
                    前域                        | 中域                                              | 後域                        | 
                    定形動詞  | 主語  | 中域副詞  | 不定形 
                      動詞                      | その他の要素  | 
                    Hvad  | hedder  | du?  |  |  |  | 
                    Hvad  | siger  | du?  |  |  |  | 
                    Hvordan  | staver   | du  |  |  | det?  | 
                    Hvor  | kommer  | han  |  |  | fra?  | 
                    Hvad  | er  | det?  |  |  |  | 
                    Hvad  | er  | det  | så?  |  |  | 
                    Hvornår  | flytter  | du?  |  |  |  | 
                    Hvad  | har  | du  | så  |  | på værelset?  | 
                    Hvor mange  | har   | du  |  |  | af dem?  | 
                    Hvad  | er  | der  | ellers?  |  |  | 
                    Hvor  | skal  | vi  |  |  | hen i dag?  | 
                    Hvordan  | kan  | man   |  | komme  | derhen?  | 
                    Hvad  | skal  | vi  |  | lave?  |  | 
                    Hvad  | betyder  | det?  |  |  |  | 
                    Hvad  | siger  | du  |  |  | til kinakålsalat?  | 
                    Hvordan   | er  | det?  |  |  |  | 
                    Hvor tit  | sner  | det  |  |  | i Danmark?  | 
                    Hvordan  | er  | det  |  |  | i Japan?  | 
                    Hvordan  | er  | vejret?  |  |  |  | 
                    Hvordan  | er  | en tyfon?  |  |  |  | 
                    Hvad  | siger  | du  |  |  | til efteråret?  | 
                    
                     
                    
                     
                    
                    ➢	疑問詞は必ず文頭に置かれます.